平成29年度　ひょうご海の子絵画

講  評

兵庫県知事賞 「魚のむれ」
泡が海底からシュワーッと湧き上がっている海中の風景にも見えますが、海底から太陽の光を浴びてキラキラと光る波の海原へと続く大きな海。その中を魚たちが群れを成して泳ぐ姿に、豊かな漁場を連想させてくれます。また、その漁場に人はいませんが、これから始まる漁の後に「大漁だ」と叫ぶ漁師さんたちの笑顔とその活気までが思い浮かんできます。最近は漁獲高が減っているニュースが多いですが、いつまでもこんな豊かな海であってほしいですね。そんな感想が出てくる一枚の絵です。

兵庫県教育長賞 「地びきあみ」
この絵は、最初、どこから描き始めたのでしょうか。網を思い出しながら、鉛筆を使ってやわらかい線で描いてみたのでしょうか。「どうしようかな」と考えて、網のまわりの人をたくさん描いていったのかもしれません。もしかしたら最後の仕上げは、絵の具を使って網目を強調した部分なのかなと想像も膨らんでいきます。
すてきな絵には、見たり感じたりする力、次にどのような形や色にしようかを考える力、それを実現するために工夫する力、一度かいたものを改めて見て新たなものを加える力がつまっています。この子の造形的な力が自然に発揮されて出来上がった絵ではないかなと感じました。