令和7年度 ひょうご海の子作文

令和7年度「ひょうご海の子作品展」作文受賞作品

兵庫県知事賞
「未来の海を守りたい」淡路市立浦小学校 6年生 浦上葵羽さん

 私は、海の近くに住んでいます。海が大好きで、海水浴して遊んだり、よく父とつりに行きます。この前海に行った時、浜辺にペットボトル、バスケット、ビニール袋などたく山のプラスチックゴミが落ちていました。漁港や海にゴミが落ちているとモヤモヤした気持ちになります。最初は私の大好きな場所にゴミが落ちているのがいやでゴミを拾っていましたが、SDGsのことを知ってからは、もっと積極的にゴミを拾うようになりました。海岸清そうをしに行くと、いつもあっという間に淡路市のゴミ袋がパンパンになります。ゴミをたく山拾うと、スッキリとした良い気持ちになります。それに自分が少しでも海のゴミの量を減らしていると思うと、うれしい気持ちになります。しかし、大変なのはゴミの「処理」です。拾うのは簡単ですが、海岸清そうをした人にしか分からない大変なことがたく山あります。例えば、ペットボトルや空きかんの中身をぬく時は中身の液体が何か分からないので、中身をぬく手間と共に危険もともないます。また、空きかんは手を切るおそれもあります。このようにペットボトル、空きかんを捨てるだけで、処理に手間と苦労がかかるのです。
 みなさんは「SDGs」という言葉を聞いたことがありますか。私は四年生のころ初めてSDGsという言葉を知りました。SDGsとは二〇三〇年までに達成すべき十七の「持続可能な開発目標」のことです。その中の目標の一つが「海の豊かさを守ろう」という目標です。私は、この目標を知った時絶対かなえたいと思いました。今の海洋環境の現状は毎年ゴミの量が増えていて、プラスチックゴミだけでも合計一億五○○○万トン以上もあり、ゴミが理由で海の生き物たちに深刻なえいきょうを与えているそうです。例えば、クジラだけでなく、ウミガメやイルカ、海鳥など他の生き物もビニール袋などのプラスチックを食べたり、あみが体にからんできずついたり死んだりしています。また、プラスチックゴミが小さい破へんになった「マイクロプラスチック」を魚や貝がエサと間ちがえて食べてしまうケースもあるそうです。このままでは、人間が魚を食べることができなくなる時代が来るかもしれません。みなさんも、こんな時代が来ることは望んでいないと思います。だから、積極的に海のことを考えてほしいと思います。
 私たちが未来の私たちにできること、未来の海の生き物にできることは、どんなことなのでしょうか。それはゴミを捨てないことや、定期的にゴミ拾いをすること、買い物に行く時は必ずエコバックを持っていくことなどだと考えました。大規模なことはできませんが、少しずつ世界中の一人一人が海洋環境のこと頭に入れて生活し、SDGsの目標に近づけていけたらいいなと思います。


兵庫県教育長賞
「つりから考える海のゴミ問題」明石市立朝霧小学校5年 船城颯人さん

 この夏、ぼくはつりに夢中になりました。つりが得意なぼくのおじいちゃんにあちこちお気に入りのスポットに連れて行ってもらい、えさの付け方からリールの使い方、さおの投げ方まで教わりました。太陽が出る前の真っ暗な早朝に家を出発したり、西日がきつくてまだ暑い夕方につりをすることもありますがいつも待ちきれないくらい楽しみにしています。
 くねくね動くゴカイのえさをさわるのはまだ苦手だし、はやくまきすぎて魚ににげられたり、全然つれない時もあるけど、魚がえさに食い付いた時のビクビクッとした反応を感じた時はとてもテンションがあがります。
 早朝も夕方もつりを楽しんでいる人で混んでいて、おじいちゃんも、「最近はつりブームなのか、つり人口が増えたような気がするなぁ。コロナの間にしゅ味にする人が増えたのかもしれないね。」と言っていました。おじいちゃんの穴場スポットも人が多くて行き先を変更したり、つりができるスペースを見つけられないこともよくあるのです。常連のおじさん達からわかい人や家族連れまでつりを楽しんでいる人が多いです。
 でもぼくには気になっていることがあります。それはつりをする人のゴミのマナーです。ぼくはつりの合間に、周りの人がどんな魚をつったかバケツを見てまわるのですが、つり糸やうきなどの道具、使い終わったえさの容器の他にもペットボトルやおかしのビニールぶくろがあちこちに落ちているのです。風で飛ばされて、海面をぷかぷかとういているゴミもありました。
ぼくのおじいちゃんは、つりで出たゴミは必ず持ち帰ります。ビーズみたいに小さなしかけやつり糸でも用意したゴミぶくろに入れて、ゴミが残らないようきれいにして帰ることをぼくも守っています。
一度海に捨てたゴミを拾うことはむずかしいです。とくにプラスチックのごみは時間をかけてマイクロプラスチックになり、海の生き物に悪いえいきょうを及ぼします。海の中の生き物だけでなく、つり場にたくさん寄って来る海鳥も、つり糸を足に引っかけたり、えさとまちがってプラスチックゴミを食べてしまうかもしれません。だから、つりで海のめぐみをいただいているぼくたちは、最低限のゴミのマナーを守らなければいけないと思います。
もうひとつ、しょう来こうなればいいなとぼくが考えたことがあります。それは、海にやさしいつり道具が開発されることです。
ぼくも岩場につり糸を引っかけてぬけなくなってしまい、仕方なくハサミで切ってしまったことがあります。つり糸やアミエビを入れるえさかごを海に残してしまって申しわけない気持ちになりました。そして、その時につり糸やうきやさおも自然にかえる素材でできるようになればいいのになと思い、ぼくの家族と理想のつり道具を考えてみました。
 つり糸は、こんぶとかじょうぶな海そうを細長く切って編み方を工夫すれば、じょうぶになるかもしれない。うきは貝がらを細かい粉にして型で固めたらどうだろう。つりざおは竹を加工して作れそうだ。今、放置竹林が問題になっているとニュース番組で見たことがあるので、つりざおに活用できれば一石二鳥だと考えました。強度はあまり良くないかもしれませんが、いつかしょう来的に海にやさしいつり道具が開発されればいいなと思います。
今のぼくたちができることはきちんとゴミを持ち帰る、ゴミ箱があればちゃんと捨てて帰るという当たり前のことです。海面をぷかぷかういているゴミを見つけると悲しいです。人が海の生き物のすみかをよごす権利はありません。ぼくもしっかりルールを守って、これからもつりを楽しみたいと思います。


講  評

兵庫県知事賞  「未来の海を守りたい」

海の近くに住む浦上さんの日常は海とともにあるようです。海水浴をして遊んだり、お父さんとつりにいったり。海が大好きだからこそ、漁港や海に落ちているたく山のプラスチックゴミにモヤモヤとした気持ちを抱いたのでしょう。文章から感情の揺れが手に取るように伝わってきます。
 いやだからゴミを拾うようになった浦上さんは6年生。気持ちがスッキリするだけではなく、自分の行動がゴミの量を減らしていると思えてうれしいと感じるところも、本当に海が大好きなのだと思います。加えて、実際に拾った人にしか分からない「処理」の大変さを詳細に描くことにより、真剣にゴミ問題に取り組んでいる様子や大変さが想像できます。と同時に、どうしてここまで強い思いを抱いているのかが気になりました。
 SDGsのことを知って積極的に拾うようになったとありますが、それは4年生の時の出来事でしたね。十四番目の目標「海の豊かさを守ろう」を知り、「絶対にかなえたい」と強く思ったその理由は、身近に目にしているプラスチックゴミの量。そのゴミが海の生き物たちに深刻な影響を与えている状況や、「マイクロプラスチック」となって魚や貝が食べてしまい、人間が魚を食べることができなくなる時代が来るかもしれないという未来への不安を、畳みかけるように強く訴えかけてきます。確かに「私たちもそんな時代を望んではいません」と共感し、浦上さんのように積極的に考える必要があると感じます。
 最後は自分たちにできる小さな活動を例に挙げ、一人一人が未来のために行動できるという思いを抱くこともできました。
 全体を通して、自然と筆者の思いに添って読み進めることができる文章構成でした。これからも様々な体験や思いを書き綴ってください。
 今回の受賞をきっかけに、浦上さんの思いを受け取って「未来の海を守りたい」と思う人が増えることを願っています。 

兵庫県中学校教育研究会 国語部会会長
辰巳 智子

 

兵庫県教育長賞  「つりから考える海のゴミ問題」
 この作品を読み、まず心に響いたのは、「釣りへの夢中さ」と「祖父への尊敬の念」が、生き生きとした言葉で表現されている点です。夏休みに祖父から釣りを教わり、すぐにその魅力に引き込まれていく様子がよく伝わってきます。特に「夢中」という言葉からは、単なる遊びではなく、何か大切なものを見つけた喜びが感じられました。
 また、作品全体を通して、素直で丁寧な語り口が保たれており、読者を引き込む力があります。祖父との情景描写から二人の絆や、釣りを通して学んだことがより深く伝わり、初めて魚を釣ったときの様子を見守る祖父の温かい笑顔など、具体的な場面を想像することもできます。
 この作品の最も重要なテーマは、「海を守りたい」という強いメッセージです。「海のごみを無くせるよう、ルールを守る」という決意は、ただ釣りを楽しむだけでなく、その環境に対する責任感と優しさが育っている証拠です。釣りという体験から、自然との関わり方やマナーを学んでいる姿勢がとても印象的です。この「ルールを守る」という行動から一歩踏み出し、「海に優しい釣りの道具を作りたい」という未来への目標を掲げている点は、非常に頼もしいです。社会や環境問題に目を向け、自分にできることを探そうとする、探求心の深さを示しています。未来の目標を語ることで、作文は単なる体験記ではなく、自分自身の成長と社会への提案を含む、力強い作品になりました。
 祖父との大切な時間、そして釣りを通して芽生えた海への愛を、これからも大切に育んでいってください。優しい心と、未来を見据える強い意志が光る、素晴らしい作品でした。

兵庫県中学校教育研究会 国語部会会長
和田 隆裕                         

令和7年度 ひょうご海の子作品展 作文部門 受賞作品
学校名学年氏名題名
兵庫県知事賞淡路市立浦小学校6年浦上葵羽さん未来の海を守りたい
兵庫県教育長賞明石市立朝霧小学校5年船城颯人さんつりから考える海のゴミ問題
JF兵庫漁連会長賞淡路市立浦小学校6年増田葵斗さん最高の魚さばき
淡路市立浦小学校6年平野まどかさん
JF兵庫女性連会長賞淡路市立浦小学校3年地主晴媛さん思い出の森漁港見学
姫路市立大津茂小学校6年井上航太郎さん結成!「海洋戦隊マモルンジャー」
明石市長賞明石市立二見西小学校4年仙崎向葵さんわたしのおじいちゃん
農林中央金庫大阪支店長賞淡路市立浦小学校6年垂髪凜太朗さん感謝の気持ち
JFなぎさ信漁連理事長賞淡路市立浦小学校3年武田聡介さん楽しい森漁港見学
淡路市立浦小学校6年前川恭太郎さん海について
佳 作淡路市立浦小学校6年小松桜歌さんこの海が続いていくために
淡路市立浦小学校3年垂髪ひかりさん大へんで楽しそうな森漁港
神戸市立義務教育学校港島学園6年谷吉英恵さん私の大好きな昆布と海水温
淡路市立浦小学校6年近藤日向子さん淡路島の海の魅力
淡路市立浦小学校3年大橋穂香さん楽しかった森漁港見学
淡路市立浦小学校6年古宅穂乃花さん魚のさばき教室をやってみて
淡路市立浦小学校6年新阜宏敏さん海を綺麗にしよう


以上の作品が受賞しました。
県内の小中学生より20点のご応募をいただきました。
ありがとうございました。

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