平成30年度 ひょうご海の子作文
平成30年度「ひょうご海の子作品展」作文受賞作品
兵庫県知事賞
「未来の大阪湾を守っていくために」 淡路市立学習小学校 5年 三木 善瑛
ぼくは、淡路島の淡路市に住んでいます。大阪湾とはりま灘に囲まれた、自然豊かな所です。ここでは、ハモ、イカナゴ、タコ、アナゴ、タイ、タチウオ、ヒラメ、スズキ、サワラなどたくさんの魚がとれます。ぼくがいつも見ている東浦の海では、イカナゴ漁や底引き網漁、のりの養殖が盛んですが、のりの色落ち被害が、心配されています。この被害を軽減するための取り組みの一つとして、ため池のかいぼり活動が行われています。これは、のりの生育には、森からの栄養分が必要と分かってきたから、農家の人と協力して、ため池にたまった栄養分を流すという活動です。海での問題は、海だけで解決できないということが分かりました。
海での取り組みは、海の底にたまっているヘドロを分解するために、EM団子を海に投入することです。EM団子は、乳酸菌など色々な菌や米ぬか、淡路島のかわらに使う土などを混ぜた物です。くさいと聞いていたけれど、実際に丸めてみると、黒糖の甘いにおいがしました。EM菌が黒糖を好きだから、EM菌を増やすために、黒糖を入れるのだと漁師さんに聞きました。ぼくも甘い物が好きだから、EM菌も同じでおもしろいなと思いました。八月の学校登校日の時に、船に乗ってEM団子を海に投入しました。その時に、ただ今のままEM団子を投入するだけでは、海はきれいになっていかないと思いました。海は世界とつながっているからです。世界中の人々が海をきれいにしよう、魚が住みやすいかんきょうにしようという意識を持たなければならないと思います。だからこのEM団子作りは、世界中に広めていくべきだとぼくは思います。
それから、イカナゴの漁かく量が、減少しています。だから、来年、再来年も続けてイカナゴをとれるようにするために、漁かく制限をしたり、休漁日を設けたりしています。それと、海水の温度が年々高くなってきていることも問題です。大阪湾で生態系の一番上にいるのは、ハモだと漁師さんに聞きました。ハモを食べる大きな魚がいなくて、ハモがイカナゴなどの小さな魚をえさにしているから、ハモがどんどん増えてきてしまって、小さな魚が減ってきているのかなと思いました。海水の温度が高くなると、生息できない魚が増え、海の中の生態系が変わるかもしれません。ぼくたちが、日々の生活で自然を大切にする気持ちを持たないといけないと思います。ぼくも、未来の海を守っていくお手伝いをしていきたいです。
「大好きな淡路島の海」 南あわじ市立湊小学校 5年 坂田 桃子
海といえば、やっぱり夏のキラキラした海が大好きです。高く青い空に、真っ白の入道雲。海では海水浴や、マリンスポーツを楽しんだり、つりをしたり、夕方にはきれいな夕日、花火、バーベキューにすいかわり。わたしの住む町では、近くの海でこういった光景がよく見られます。中でも、慶野松原は日本のなぎさ百選にも選ばれている、素晴らしい海です。
わたしの学校は、春の遠足に毎年この慶野松原に行きます。学校から五十分ほど歩くので、みんなヘトヘトになりますが、きれいなすな浜に着くとみんな大はしゃぎ。わたしは最初キッザニアとか、公園へ遠足に行く学校がとてもうらやましかったけど、今は地元のきれいな海に行って、学年関係なく遊んで仲良くなれる今の遠足が大好きです。そして帰りは、みんなで海のゴミをきれいに拾います。
とてもきれいな海がんなのに、びっくりする程ゴミがあり、すごく残念です。どこから流れてきたのか、洗ざいのボトルや、おかしのふくろ、たまには電化製品を捨ててあることもあります。海をゴミ捨て場と思っている人がいるんでしょうか。
きれいにゴミを拾った後は、とても気持ちがいいです。よく海がんのゴミをボランティアで拾ってそうじをしてくれている人達がいますが、わたしもきれいな海を守るために、積極的にそうじにも参加したいです。
淡路島は海に囲まれているので、たくさんのおいしい魚介類がとれます。地元の回転ずしでは、まるでおすし屋さんでにぎってくれるような、新せんでおいしいおすしを食べることができます。また、わたしの住む南あわじ市では、淡路島でとれる高級魚のハモ、フグが給食に出てきます。地元の漁しさんが、子供達にも食べてほしいと、給食に下さるのです。このことを、東京に住むおじさんや、いとこ達に話すと、目をまるくしておどろいていました。東京では、そんな高級な食材が給食に出てくるなんて、とても考えられないそうです。
「淡路島は、本当にめぐまれているね。新せんでおいしい魚や貝が、いつも食べれて、きれいな海や景色もあって、東京で住む者から見れば、うらやましいことばかり。」そうおじさんは言っていました。
わたしは改めて、自分の住むこの島は、本当にいいなぁと感じました。
きれいな海を守るために、ゴミは捨てさせない、ゴミを見つけたら拾う。小さなことだけど、わたしにできることをやっていきたいと思います。
講 評
兵庫県知事賞 「未来の大阪湾を守っていくために」
三木さんは、海に囲まれた淡路島に住み、目の前に広がる海は、生活の一部となっており、海に深く関わった作文となっています。学校から、海の環境を考える学習活動に参加して、実際にEM団子を海に投入する体験を通して、海の恵みに感謝して、海を大切にしたいという思いにかられました。
そして、船から眺める海が世界につながっていることに気づき、淡路から世界の海へと視点が広がりました。さらに、海水の温度にも着目して、温暖化の影響にまで考えがおよびました。小学生として、未来の海を考え、美しく豊かな海を守りたいという願う三木さんの感性の高さと表現力は素晴らしいものです。
次世代を担う小中学生の皆さんが、このように「海の子作品展の作文」を書くことによって未来に目を向けて、海を愛し、漁業への理解を深めていくことは大切なことです。
兵庫県教育長賞 「大好きな淡路島の海」
「淡路島が大好き」という坂田さんの気持ちが、作品全体から伝わってきます。また、活動的な夏の海の様子やなぎさ百選に選ばれている慶野松原の風景が目に浮かびます。
この海岸に春の遠足で学校から五十分もかけて全校生みんなで歩いて行き、楽しく遊んだ後の清掃活動でたくさんのごみを集めました。この体験から、みんなが海の環境を守ろうとしてほしい。そして、自分ができることとして、清掃活動に積極的に参加したいと考えたことがすばらしいです。
南あわじ市の給食にフグやハモが出るということを東京のおじさんやいとこが、びっくりし、うらやましく思ったことは、坂田さんにとって意外だったのではないですか。
「淡路島が大好き」という気持ちを大切に、これからも文を書くことによって考えを広げたり深めたりして、成長されていくことを願っています。
賞名 | 学校名 | 学年 | 氏名 | 題名 |
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兵庫県知事賞 | 淡路市立学習小学校 | 5 | 三木 善瑛 | 未来の大阪湾を守っていくために |
兵庫県教育長賞 | 南あわじ市立湊小学校 | 5 | 坂田 桃子 | 大好きな淡路島の海 |
JF兵庫漁連会長賞 | 明石市立錦浦小学校 | 3 | 藤本 翔 | 地びきあみを体けんして |
淡路市立学習小学校 | 5 | 高田 陽菜 | 豊かな海を守る | |
JF兵庫女性連会長賞 | 明石市立錦浦小学校 | 3 | 阪本 悠晴 | 地びきあみのたいけん |
淡路市立北淡小学校 | 6 | 嵐 勇登 | 育波の海 | |
農林中央金庫大阪支店長賞 | 明石市立錦が丘小学校 | 1 | 横山 真那 | おじいちゃんのおさしみ |
淡路市立学習小学校 | 6 | 坂東 優 | 安全できれいな海へ | |
JFなぎさ信漁連理事長賞 | 淡路市立学習小学校 | 5 | 豊田 翔大 | きれいな海を |
明石市立野々池中学校 | 2 | 寺井 優希菜 | 母から聞いた話 | |
佳作 | 明石市立錦浦小学校 | 3 | 林 優斗 | 大事にしよう海を |
明石市立錦浦小学校 | 3 | 殿浦 拓真 | 海のかんきょう | |
明石市立錦浦小学校 | 3 | 仁木 和真 | 明石の海について | |
淡路市立石屋小学校 | 3 | 新居 奈月 | 地引きあみの体けん | |
明石市立錦浦小学校 | 3 | 新海 正騎 | 魚ずみ町に生まれたぼく | |
明石市立錦浦小学校 | 3 | 山本 隼人 | 海と海のちがい | |
明石市立二見小学校 | 3 | 岸 暖大 | 魚のおろしうり市場 | |
淡路市立石屋小学校 | 3 | 仲野 空美 | 地引きあみ | |
明石市立錦浦小学校 | 3 | 野津 春輝 | 楽しかった 地引きあみ | |
明石市立錦浦小学校 | 3 | 松本 望紀 | 魚とぼく | |
明石市立錦浦小学校 | 3 | 松林 伸幸 | はじめてのしおひがり | |
明石市立二見西小学校 | 3 | 南明 優佑 | みや古じまの海 | |
洲本市立由良小学校 | 5 | 小島 結羽 | りょうしさんのたいへんさ | |
淡路市立学習小学校 | 5 | 舩本 愛愁 | 大好きな淡路島の海 | |
淡路市立学習小学校 | 5 | 片山 杏莉 | EM団子や漁業をくわしく聞いて | |
淡路市立学習小学校 | 5 | 正木 妃菜多 | 海を美しく | |
たつの市立室津小学校 | 5 | 中川 琴美 | きれいな海を守りたい | |
淡路市立学習小学校 | 6 | 相田 一真 | お父さんと海 | |
明石市立野々池中学校 | 2 | 春名 康希 | 豊かな海へ |
学校賞 | 淡路市立学習小学校 |
たつの市立室津小学校 | |
明石市立野々池中学校 |
以上の作品が受賞しました。
県内の小中学生より175点のご応募をいただきました。
ありがとうございました。